「風景写真」と呼ばれるジャンルや「動物写真」と呼ばれるジャンルが写真にあることは言うまでもありませんが、
「動物風景写真」となるとあまり聞かないものです。

“さあ、来たぞこの瞬間、いまだっ!”

という要素を両者が持っているためかもしれません。
美しい光や色が広がった瞬間、
動物たちが思いもしない素敵な仕草をした瞬間、
この両者が揃うことなんて、
宝くじがあたるくらい珍しいものなのかもしれません。

とはいえ、世にはこれら両方を備えた多くの素敵な写真が存在しているということも確かです。
BBCやNatGeoのフォトコンテストの入賞作品だけでなく、
応募作品にはそのような写真が多くあります。

どうしたら、そのような
“なぜ天はこのシャッターを切った者に二物を与えたのか”
と思いたくなるような瞬間を収めることができるようになるのでしょうか。

僕が撮ったキタキツネの夫婦が春が近い桃色の空の下を駈ける一枚は、
手前味噌かもしれませんが、
この二物を見事に収めた一枚だと思っています。

実は、僕はこの一枚を撮る前に何度かこのあたりでじゃれ合うキタキツネたちを見ているのです。
彼らをこの写真に収めることが出来たのは、
その前の冬の終わり頃に目をつけ、
夏も秋も厳冬期も何度となくこの場に通って彼らの痕跡(主に足跡と糞尿)を観察していた成果でした。

また、桃色の空は、この地域の長い冬の間に、
何度か桃色の空を見られる日の存在を意識できていたので、
この仕上がりを想像しながら撮影に臨むことができたのです。

世界トップクラスのAUTHORITYを得られる動物写真には、
“珍しい” とか “撮影に苦労した”、
“かわいい”とか“どう猛そう” という要素を凌駕したものが求められる時代がすでに始まっています。

凌駕するために必要な要素を考えるとき、
そのひとつに素敵な風景写真というのも重要な要素になってくると考えてのことでした。
その読みと試行錯誤、そして運が味方したのがこの一枚だったのかもしれません。

このブログの読者のみなさまは、
風景写真を主に撮られていると思います。
それぞれがお持ちのリサーチの力にもう一歩の他のジャンルのリサーチの力を手にして組み合わせたとき、
“なぜ天はこのシャッターを切った者に二物を……”
と見る者を唸らせる素敵な一枚を得ることができるかもしれません。

たとえば「星景写真」というジャンルは、機材の発展進化とは切り離せない点も否めませんが、
二物が与えられたひとつの例であることに間違いはないと思います。
今後は、さらに一歩進んだ風景写真の想像も面白そうです。

みなさまは「風景写真」にどのようなものを加えてみますか?

みなさまのお写真をPASHADELICでお待ちしております。