冬と言えば雪。

とはいえ、最近は温暖化の影響もあってなかなか雪景色も見られない・・・と思っていたら、先日12月28日には京都で初冠雪。
どうやら今年はラニーニャの影響でこの数年よりは雪が見込めそうな印象だ。
となれば後はどこに冬の景色を狙いに行くか決めるだけになってくるのだが、滋賀県の北部、米原や長浜などの北琵琶湖の区域は関西の中では比較的アクセスが容易で、かつ雪を見られるチャンスが多い地域だ。

というわけで今日は、まだまだ馴染みのない北琵琶湖の冬の名所をいくつかご紹介したい。

1) 長浜駅から歩いて三分!国指定の名勝「慶雲館」

北琵琶湖の玄関口、長浜駅西口から南へ徒歩三分。
まずは庭園が国指定の名称として名高い慶雲館(けいうんかん)を是非見ていただきたい。
京都の庭園と違って、まだまだ人もそれほど多くなく、見事な回遊式の庭や書院風建築の本館など、凝縮された和の空間を楽しむことができる。
本館二階には、かつて明治天皇をお迎えするための「玉座の間」が作られており、そこから見る庭園の景色も見事。玉座の間に入り込む光もまた美しい。

この写真は昨年の大雪の際に撮影したものだが、普段は深い緑の中にひっそり佇む慶雲館は、この時は真っ白な雪の化粧で輝いてた。
北琵琶湖ならではの冬の景色といえる。

また、最近では2月上旬に開催される「長浜盆梅展」も人気になりつつある。
艶やかな梅と、夜の中に光る慶雲館の姿は、まるで千と千尋の神隠しの湯屋のような、異世界的な美しさを見せる。

慶雲館の公式HPはこちら

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2) 県下最高峰「伊吹山」の冬の景色

滋賀県の周りにはあまり高い山は存在しないので、山系の撮影は私も苦手にしている一つだが、そんななかでも伊吹山(いぶきやま、いぶきさん)の冬の光景は美しい。
冬に入ると山頂は冠雪して、白い姿を見せる。
富士山や大山など、名だたる山にも負けない独特のテーブルマウンテンのような形状が面白い。
その姿が特に美しく写せるのが、米原市にある「三島池」からのショット。

この時期の夜明けの太陽は、この撮影ポイントから見て右手から出るので、それがちょうど空と山に絶妙な影を作る。無風の時にはその美しい姿が、湖面に美しく反射する。是非その瞬間を捉えて欲しい。

伊吹山に関する滋賀県観光情報

3) 湖北野鳥センターの夕日

長浜市にある湖北野鳥センターは、その名前の通り、北琵琶湖にやってくる野鳥たちを観察・保護するために作られた場所だが、冬にもなるとコハクチョウやオオヒシクイなどの渡り鳥を撮影する、白や黒の大砲がずらりと並ぶポイントとして有名だ。

そんな湖北野鳥センターなのだが、野鳥が来るくらいにはまだまだ自然の多い場所で、景観としても非常に美しい。
琵琶湖に面した湖岸からはヨシの群生が見ることができ、少し離れた場所にある木立が独特の冬の哀愁を作り出す。

琵琶湖の東岸から見ることになるこの場所は、夕日が極めて美しい。
県下で最も美しい夕日を撮影できる場所として、皆さんの頭の中に是非入れておいて欲しい。
運が良ければ、コハクチョウたちの群生も見られるかもしれない。

長浜市の観光案内サイトはこちら

PASHADELIC 「湖北野鳥センター」

4) 鏡湖「余呉湖」

滋賀県北部に、古代には琵琶湖の一部で、いまは分離した小さい湖が存在している。
別名「鏡湖」とも呼ばれる余呉湖(よごこ)だ。

余呉湖に関する滋賀県観光情報

名前の通り、風が無い日には美しい湖面が周りのすべての光景を反射する。
もしあなたの運が十分に良ければ、冬の余呉湖で絶景を見ることができるかもしれない。
青空と綺麗な雲、さらに可能ならば雪。これらの条件がすべてうまく整ったとき、驚くような光景が目の前に広がる。

2016年の2月最初の一日、滋賀県北部に猛烈な雪が降った。
かねてから雪の湖北を撮りたいと考えていた私は、上に紹介した慶雲館を撮影した後、余呉湖へと向かっていた。
もともとは別の撮影地に行く予定だったのだが、余呉湖はちょうど目的地の途中にあったし、何よりも朝には分厚かった曇天が徐々に切れてきて、非常にドラマティックな空模様になり始めていたのを察知したからだ。その日の滋賀県最北端の余呉の積雪量はおよそ80センチ。
股の上まで雪にはまりながら、なんとか余呉湖の北まで来た時、その絶景に息を飲んだ。
上に「周りのすべての光景を反射する」と書いたが、目の前にはまさに鏡で反射したような上下が完全にリフレクションした世界が広がっていた。
噂に聞くボリビアのウユニ湖もこんな感じなのかもしれないと思ったものだ。
足元に迫る水の横に三脚を立てて撮った写真がこれだ。

徐々に青空が見え始めていたが、まだ余呉湖の上は雲が切れ始めたばかりで、それが圧倒的な質感を作り出してくれた。対岸の山や町はすべて雪の下に隠れている。空もまた白。
僅かな青が少し左から見え始めている。数枚撮って、急いで余呉湖の西岸のほうに向かった。
北側の空が一気に美しい青空になっているのが見え始めたからだ。

予想通り、ついに美しい青空が雲の間から見えはじめた。
冬の一瞬の絶景、是非この美しさを多くの写真家の皆さんにも狙って欲しいと思う。

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というわけで、まだまだ馴染みの無い北琵琶湖の光景を紹介してみた。
是非この冬の撮影候補地の一つに加えていただければと思う。

※写真は、すべて著者による撮影です。